極軸がずれた場合の座標変換方法 vega
天文計算入門(長谷川一郎著)の p38から一部を転記します。
天球上の点S 赤経・赤緯をα、δとし この点の黄経・黄緯をλ、β とする。
黄道傾斜角をεとする。
球面三角形 PNS ついて公式を適用
赤道座標から黄道座標の変換
cosβcosλ = cosδcosα @
cosβsinλ = sinδsinε + cosδsinαcosε A (11.1)
sinβ = sinδcosε − cosδsinαsinε B
黄道座標から赤道座標の変換
cosδcosα = cosβcosλ @
cosδsinα = −sinβ sinε + cosβsinλcosε A (11.2)
sinδ = sinβ cosε + cosβsinλsinε B
これを解く場合は (11.1)を例にすると
A/@がtanλになるから、atanでλを求める。atanで求めたλは、90°≦λ≦90°になる
のでsinβとtanλの符号を考慮して、象限を決定する。0≦λ<360°
cosβは常に正である。 ( ....ということが本に書いてあります)
転記終わり
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以下は私の考えで、まだ実証されていません。(実際の導入追尾装置が完成していないという意味)
上記は、赤道座標の北極から子午線上に極軸をずらした望遠鏡の座標と同じ関係です。
(11.2)式において
黄経座標を | 赤道座標に | |
赤道座標を | 望遠鏡座標に | |
黄道傾斜角εを | 極軸のずれ (天頂側がプラス) |
と読みかえれば赤道座標から望遠鏡座標の変換式に使用できます。
(11.1)式において
赤道座標を | 望遠鏡座標に | |
黄経座標を | 赤道座標に | |
黄道傾斜角εを | 極軸のずれ (天頂側がプラス) |
と読みかえれば望遠鏡座標から赤道座標の変換式に使用できます。
ただし赤道座標の基準点は、赤経がゼロではなく、赤道と望遠鏡座標の経度ゼロの大円との交点にする必要があります
子午線上に極軸が無い場合は、北極を中心に極軸を回転させ子午線に合わせます(NPSの形を保ったまま回転)。
(大根を輪切りにして中心に串を斜めに刺し、串を回転させると基準点位置の変化が分りやすかもしれません。)
私は、(11.1)式と(11.2)式の違いを、εの方向の違いと解釈しています。
εは反時計回り、−εは時計回りに回転させる。
(11.1)式でεを−εとすると。
cos(−ε)=cosε
sin(−ε)=−sinε
となるので(11.2)式の右辺が同じ形になるのがわかります。
ですから(11.1)式と(11.2)式のを使用し、逆に回す場合は、ずらす符号を逆に与えればOKです。
変換のスクリプトです。上記の2組の式を解いています。下記と照らし合わせて使用してみください。
C言語のソースは、ここの例(グループ1のT05_hen(座標変換),関数はinclフォルダのhen)にあります。
自動導入あなたもやってみます?
時角は、子午線(青線)がゼロ。東側がマイナスです。
下記は
極軸角距離=55
極軸位置角=10 で天頂からか少しずれた経緯儀を想定しています。
真中下の小さな赤丸が、望遠鏡座標の原点です。ここは2つの座標系における経度ゼロの大円が交わる2点
のうちの1点です。