vega
パソコンと接続の確認                                     2002.04.14
                                                   2002.05.08
                                         実測値追加   2002.05.13
                                         実測値追加   2003.10.26
                                              追加   2006.01.30
                                          追加   2006.02.09

 

ここでは、パソコンとの接続での注意点を説明します。初めて経験する人は、必ず読んでください。これをやれば100%大丈夫と言う訳ではありませんが、不注意、考え違いでパソコンを壊す度合いは、かなり減るはずです。

RS−232Cの接続ケーブルは、ストレートケーブルやクロスケーブルが売られています。

両端のコネクタは、クロスケーブルはメス−メス、ストレートケーブルはメス−オスとなっています。

パソコンは、メスと接続するため基板側は、ケーブルによりコネクタが異なるので注意が必要です。メス−オス変換コネクタも市販されていますが、安易に使用すると信号腺の出力同士がぶつかり、パソコンの故障の元になるので使用しない方が賢明です。

今回信号腺のNo.7、No.8はパソコンから見て接続するだけなので注意する必要はありませんが、信号腺のNo.2、No.3は、基板上のICと接続するので、注意が必要です。逆に接続すると出力同士がぶつかり、パソコンが故障する原因になります。

 

 

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チェックの大筋は

 @ 基板のADM232AANが正しく動作しているかは、ICに電源とアースのみ接続して、ICの足の電圧を

   計ればほぼ確認できます。

 A パソコンと基板をお互いに正しく接続して良いか否かは接続前の電圧を測れば確認できます。

   −9Vと0V同士を接続すればOKです。 −9V同士は出力なので、決して接続してはなりません。

 

    RS−232Cは、信号は一方通行です。 例えとして、糸電話が2組あり、2人(AさんBさん)が会話をすることを考えてください。

    Aさんが口にあてた糸電話の反対側はBさんの耳にあてます。もう一つの糸電話は、Bさんが口にあてた糸電話の反対側はA

    さんの耳にあてます。

    これと同じことをパソコンとマイコンの配線で行うわけです。

    接続前の−9Vは口から発した声と思って下さい。又接続前の0Vは、耳と思って下さい。   

    ですから、−9Vと0Vをを接続すれば会話(通信)が出来るわけです。

    実際のチェックは、糸電話の糸が切れていないかとか、口から実際に声が出てるかとか、少し手順を踏みます。    

____________________________________________

PC/AT互換機のシリアルポート・コネクタの信号名(EIA−574) 

 (4列目までは 2001.01 TR技p241 から転記)

ピン番号 I/O 信号名 機能 今回使用するもの  
1 I DCD キャリア検出    
2 I RxD 受信データ     〇  
3 O TxD 送信データ     〇  
4 O DTR データ端末レディ    
5 - GND グラウンド     〇  
6 I DSR データ・セット・レディ    
7 O RTS 送信要求     〇  
8 I CTS 送信可     〇  
9 I RI 被呼表示    

クロスケーブルは、手持のELECOM製、インターリンク対応のRS−232Cケーブルです。

今回は上記の様に、5本の信号腺を使用します。

ピン番号(パソコン

COMポート)

 今回の用途    
2 AT90S2313からのエコー(X_OKなど)がパソコンへ返ってきます    
3 PCから位置決めデータがマイコンへ出て行きます。(C23RX等)    
5 XYステージのグラウンドと接続します。    
7 パソコンから送信要求が出ます。    
8 7ピンと基板上で接続しているので、即送信可になります。    

接続ケーブルを自作する場合は、No.7、No.8はパソコン側のケーブルコネクタの所で結線すればOKです。

ケーブルの結線は、3本だけでOKのなります。逆向きにつなげると動かないので、マークしておきます。

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確認手順

基板内の電源にケミコン等のコンデンサが接続されている場合は、完成するまで電源とアース間にダミーロード用抵抗を接続して下さい。値は500Ω程度(10mA消費)で良いと思います。これをしておかないと、コンデンサに貯まったチャージが測定時に影響を与えます。電源回路が正しく5Vを作り出すことを確認してください。ADM232Aとマイコンは、ICソケットを使用して下さい。マイコンは、最初から最後まで実装しません。ADM232Aは、最初は実装せず途中から実装します。

テスターで確認します。テスターは、先端以外をビニールテープ等で絶縁し、測定中の事故を予防します。又コードの両端に、わに口クリップを付けたものがあれば、便利です。 右手と左にテスターの端子を持って測定するというような無理な態勢は危険です。人間は同時に2箇所は見れませんら。先がつるっと滑ってショートして、それで終りにならないように。誤配線なく正しく作成した基板を、確認中にミスして壊すという話しはよく聞きます。写真にあるのは、ばね仕掛けでICの足などの、細い所を引っ掛けるパーツです(全長4cm)。右先が金属で左からコードを出す事ができます。これとテスターを接続すれば安心して測定できます。

1. 結線テスト(9ピンオスコネクタと制御基板の接続テスト)  

パソコン電源 パソコン側ケーブル 基板側ケーブル 基板電源 ADN232Aの基板実装
   −    抜く   差し込む  OFF   しない

 下記と導通(ゼロΩ付近)があることを確認します   

パソコン側のケーブルピンNo 導通確認    
1      
   2(耳) ADM232Aの No.7ピン (基板側の口) パソコン <− 基板 の信号腺  
   3(口) ADM232Aの No.8ピン (基板側の耳) パソコン −> 基板 の信号腺  
4      
5 ADM232Aの No.15ピン GND (2006.2訂正 No.5(誤り) -> No.15(正))  
6      
7 パソコン側のケーブルのNo.8ピン (注)  
8 パソコン側のケーブルのNo.7ピン (注)  
9      

クロスケーブルを使用する場合、ストレートケーブルを使用する場合どちらでも上記のようになっていなければなりません。

空白の部分は、何処にも接続されていないので、どことも導通がないことを確認します。電源とか、他のピンの接続し、高抵抗であることを確認します。それ以外の場合は誤配線や、ストレートケーブルとクロスケーブルの誤りの可能性があります。

OKの場合のみ、2.へ進みます。

2. 電圧テスト  (基板上でのパソコンの電圧をチェック)

パソコン電源 パソコン側ケーブル 基板側ケーブル 基板電源 ADM232Aの基板実装
  ON    差し込む   差し込む  OFF    しない

   2002.05.08 パソコン側のケーブルは「差し込むに」に訂正。

  下記の電圧を確認します。  テスターのGNDは、基板のアースからとります。   

  ADM232Aが入るICソケット       電           圧     備      考
   No.15ピン 0V GND    2005.8.20修正
   No.7ピン(口) 0V付近(声が聞こえないからおそらく耳)(160mV実測値) 信号腺が逆(誤配線)だと−9Vになる。
   No.8ピン(耳) −9V付近(パソコンからの声)(-11.68V実測値) 信号腺が逆(誤配線)だと0Vになる

   誤り修正   2005.8.20 No.5ピンからNo.15ピンに修正GNDの蘭)

クロスケーブルを使用する場合、ストレートケーブルを使用する場合どちらでも上記のようになっていなけれなりません。

OKの場合のみ、3.に進みます。

 

3. 電圧テスト ADM232Aの機能チェック

パソコン電源 パソコン側ケーブル 基板側ケーブル 基板電源 ADM232Aの基板実装
  −    抜く   差し込む  ON    しない

下記表の@をチェックします。 1〜14ピンは何処にも接続していないので私のデジタル電圧計

では、値が安定しません。安定に0Vや5Vが測定される場合は不可です。OKなら次の状態にします。

パソコン電源 パソコン側ケーブル 基板側ケーブル 基板電源 ADM232Aの基板実装
  −    抜く   差し込む  ON    する

     (基板の電源をOFFにしてADM232Aを実装し再度電源をONにします。)

 下記表のおよそAの値になることを確認します。異なる場合は、ADM232A回りの配線をチェック

 します。赤が重点チェック項目。

  **** ADM232Aの電圧 ***  

ADM232Aのピン @電圧(IC実装前) A電圧(IC実装後)  実測値1 実測値2 SP202ECP*1 SP3232ECP*2  備   考  
1  5Vは不可    4.86V          
2  5Vは不可 +10V付近  9.73V  10.0V   8.84V   5.91V    
3  5Vは不可    33.3mV          
4  5Vは不可    2.29V          
5  5Vは不可   −2.39V          
6  5Vは不可 −10V付近 −9.59V −9.4V  −8.23V  −6.26V    
7  5Vは不可 −9V付近(口) −9.19V −9.4V  −8.23V   5.89V パソコンへ   
8  5Vは不可  0V付近 (耳)  4.2mV   0V  +0.03mV  −0.03mV パソコンから  
9  5Vは不可  5V付近  4.93V   5V   4.91V   4.95V マイコンへ   
10  5Vは不可  5V付近  4.76V   2V   4.23V 100mVふらふら マイコンから  
11  5Vは不可  5V付近  4.76V   2V   4.23V 100mVふらふら    
12  5Vは不可  5V付近  4.93V   5V   4.88V   4.95V    
13  5Vは不可  0V付近  4.2mV   0V   0.00mV  −0.03mV     
14  5Vは不可 −9V付近 −9.13V −9.4V  −8.24V   5.89V    
15  0V  0V  0.03mV   0V          GND  
16  5V  5V  4.94V   5V        電源    

 (注) 実測値1 デジタルテスター(入力抵抗 30Vレンジ:10MΩ、3Vレンジ11MΩ、300mvレンジ:1000MΩ以上)
     実測値2 アナログテスター(入力抵抗 20KΩ/VDC) 10番ピン、11番ピンは、低く測定されます。(データ提供Mさん)
           理由は、10番ピン、11番ピンは、ICの内部で400KΩでプルアップしていますが、内部抵抗の低いテスターを接続すると
           テスターに電流が流れ電圧が低く測定されるからです。
     1,3,4,5は参考程度としてください。2,6がおよそ合っていてばOKです。
  

  *1 Sipex社のADM232のピン互換ICです。 秋月では、ADM232Aの代用として販売してます。
      ほとんど同じ電圧で測定できました。
      10、11ピンが内部でプルアップしているのも同じです。

  *2 Sipex社のピン互換ICです。 秋月で、販売してます。
      10、11ピンがハイインピーダンスで電圧が一定しません。
      ADM232Aの場合は、ここが内部で400KΩでプルアップしているので測定結果が全く異なります。
      この為、これに対応する7、14ピンの電圧も全く異なっていますが問題ありません。
      2、6ピンの電圧も少し異なりますが問題ないようです。 動作しましたから。
  

  およそこの値になっていれば、ADM232Aは正しく動いています。

  後は、パソコンと正しく接続するたけです。

  OKの場合のみ4へ進む

 

4.パソコン側のケーブルピンの電圧チェック

パソコン電源 パソコン側ケーブル 基板側ケーブル 基板電源 ADM232Aの基板実装
  −    抜く   差し込む  ON    する

 パソコン側のケーブルのコネクタの電圧を測定します。テスターのGNDは、基板のアースからとります。

パソコン側のケーブルコネクタピンNo ピンの電圧    
1      
           2(パソコンの耳へ) −9V付近 (マイコンからの声)  
           3(パソコンの口へ) 0V       (声が聞こえない(0V)からおそらく耳)  
4      
5 0V    
6      
7      
8      
9      

 空白の部分の電圧は、何処にも接続されていないのでデジタルテスターでは、電圧が安定しません。

 ゼロV、5V、マイナス9V、等安定した電圧が測定できる場合は、誤配線の可能性があります。

 

5. マイコンを使用しない通信テスト    2006.01.30

    
上記の話と流れが少し違いますが、通信できない場合や手順をふんで確認する場合に試してみてください。

    ADM232Aのみで通信テストができます。
    COMポートとの接続、ADM232Aの周りの確認ができます。
    全体でQCAMFTから通信ができないと何処が悪いのか分かりませんが、これで何処まで動作しているか
    判断できると思います。

   「方法」
    ADM232Aを実装します。
    AT90S2313は実装しません。代わりにAT90S2313の為のソケット上で2ピンと3ピンを接続します。
    (心配な場合は、2K〜5kΩで接続)
    パソコンと基板を接続します。
    基板に電源を入れます。

    ハイパーターミナルを起動します。設定方法はここを参考に。
    https://ss1.xrea.com/vega.s58.xrea.com/astro/mirror/h8gcc/part02.htm

    通信速度は特にこだわりませんが、9600BPIにします。
    キーボードから任意のキーを入力し、その文字が表示されればOKです。

    信号のルートは、
    パソコン -> ケーブル -> ADM232Aのレシーバー -> AT90S2313用ソケットの2ピン
    -> AT90S2313用ソケットの3ピン -> ADM232Aのドライバー -> ケーブル -> パソコン
    となります

    尚このテストは、AT90S2313とADM232Aの接続の送信受信を逆に接続しても誤りに気づきませんので
    (動作してしまう)注意してください。

    もし動かない場合は、電源を抜き、ADM232Aをソケットからはずし、ソケット上の7番ピン、8番ピンを接続して上記と同様
    にハイパーターミナルを使用して通信テストを行います。(心配な場合は、10kΩで接続)
    動かない場合は、COMポートの2,3,5、7,8の配線を重点的に見直してください。
    ここでも、ADM232Aの7番ピン8番ピンの送信受信が誤配線の場合でも動作します(動作してしまう)から注意してください。
    USBシリアルを使用した場合は、このテストでUSBシリアルの動作確認ができます。

     (注1) これらのテストでCOMポートの7,8ピンを結線をしない場合に通信可能か試してみました。
         下記のように、WIN98SEのハイパーターミナルが不可でした。QCAMFTのみ使用する場合は
         7.8ピンの結線はどうでも良いことになりますが、やはり結線することをお勧めします。

   ハイパーターミナル   QCAMFT 
 Win98SE    通信不可     通信可能 
 WinXP   通信可能  通信可能

     (注2) 上記テストは、QCAMFTを使用しても可能です。
          メニューの  表示 -> 内部データ表示 でコマンドが表示されるようにして下さい。
          操作は、XYステージの動きだけにして下さい。エコーは、送信したものがそのまま表示されます。

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