XYステージ制御基板の動作確認方法                                  2002.04.16  vega
                                                          2002.04.22
                                                          2003.05.22
                                                          2005.08.24

  マイコンとの通信テストをして、モーターを回すまで説明します。
  

1. マイコンとの接続テスト

 (1) 準備

測定ソフト(QCAMFT)とマイコンと通信させて動作確認をします。
TA7257Pのモータードライブ段(E番ピン)は、電源の接続をしません。
パソコンと制御基板をケーブルで接続します。


測定ソフトを起動しメニューの 設定 [モーター設定」
送りネジのピッチを選び、
ステップ/回転 を設定、
ギア比を設定し、
COMポート を設定し、
通信速度を9600BPIに設定し、
オープン手動の設定にします。

設定変更をクリックし一旦終了します。
  

 

 

 

 

 

 

(2)  通信テスト  (モーターは回さず、マイコンとの通信のテストを行います)
    QCAMFTを起動し、 メニューの [表示] [内部データ表示] クリックします。
   別のWindowが出ますが、これは通信の状態を表示するもので 初期状態は、こうなります。 (@初期状態)
   制御基板の電源をONにし、 メニューの  [テスター通信]   [COMオープン]をクリックします。
   オープン後にマイコンにテスト用のコマンドが送られ(C0C0C0)、エコーが返ってくるはずです(Aオープン後)。
   返らない場合は、速やかに制御基板の電源をOFFにしてケーブルを抜きます。

   エコーが正しい場合は、XYステージ移動の操作をしてみましょう。移動距離が短い場合は,ほとんど瞬時エコーが
   返ってきます。距離が1mmの場合は、少し遅れてエコーが返ります。(Bステージ移動)移動コマンドのX又はYは、
   回転が終了してからエコーが返るため少し遅れる訳です。1mmの移動を連続して(すばやく5〜6回クリック)みましょう。
   遅れて回数分のエコーが返ればOKです。
   制御基板の電源を切ります。

   上手くXYステージと通信できない場合、下記のメッセージが表示される場合があります。    

No    メッセージ  発生する場合                  対 処 方 法 
@

(注) Ver2.8M5 以降
 COMポートが指定されていないか
 COMx の形式になっていない。 

 
 
モーター設定で、COMポートの設定をする。

COM1、COM2 の形式にする。

A パソコンで認識していないCOM
 ポート番号を指定しオープン操作した
 (左例は、使用できないCOM3を
  指定した場合)
・コントロールパネルで使用可能なCOMポートを指定する。 
 ・USBシリアルケーブルを使用している場合は、
  デバイスドライバー の状態を調べる。
 ・COMxの指定方法(変更方法)は、QCAMFT メニュー
  の  設定 -> モーター設定 
B  COMポートをオープン操作せずに
 XYステージ移動等の操作をした。
 ・オープンの操作をする。メニューの 
  テスター通信 -> COMポートオープン
 ・又は自動オープンの指定し起動する。
C  XYステージのマイコンからの受信で
 タイムアウトが発生 (XYステージの
 マイコンから返事が無い。)

 [考えられる事]
 ・マイコンが動作していない
  (制御基板の電源がOFF、
    基板の故障)
 ・制御基板とパソコンをケーブル
  で接続していない
 
 ・左記をチェックする。
 ・測定時に発生した場合はその測定を中止し、測定を
  やり直 して下さい。
(注)
送信は、1文字送り、返事を待つようにしている。
タイムアウトが発生するとそのコマンド全体の送受信を
諦める。
例えば 最初のオープン操作で、”C0C0C0”を送るが
最初の”C”でタイムアウトが発生した場合、後の5バイトの
送信を諦める。この場合「受信タイムアウト発生」のメッセー
ジは、1回のみ表示される。
D COMポートのオープンが済んでい
るのに、再度オープン操作をした。
 
       

            (注) Ver 2.8LM以降です。 それ以前のVerは、2つ目以降のエラーメッセージの内容が適切でない場合があります。


  マイコンからエラーコードが返る場合があります。エラーの意味は、説明書(モータードライバ仕様)に書いてあります。

     

   [エコー(返事)が返らない場合に考えられること]
    ・ COMポートの番号が間違っている。
    ・ ケーブルが接続されていない。
    ・ ストレートケーブルとクロスケーブルを間違えている
    ・自作の接続ケーブルで、7,8のをコネクタで結線する場合、パソコン側になっていない。
    ・ADM232Aが動いていない。(誤配線など)
    ・ADM232Aとマイコンの誤配線
    ・マイコンが動いていない。(セラロックの誤配線)
     マイコンが動いている場合は、電源ONでモーターが初期状態になるので、モーターの電源が供給されている場合一瞬軽く音
     が出ます(「ク」という音)。 これは、パソコンと通信ができていなくてもマイコンさえ動いていればもこの音がでます。
     マイコンが動作していれば、AT90S2313のPB7とPB3は、電源ON時に一瞬Hレベルになります。20ms程度の時間です。
     LED+抵抗を接続すれば、一瞬光るかもしれません。これが確認できれば後は、通信部分の配線を重点的に見なおせば解決
     すると思います。
    ・マイコンにプログラム(及びEEPROMデータ)が書きこまれていない

    XYステージでマイコンを使用しない通信テストの方法を追加しました。通信できない場合にお試し下さい。
      
https://ss1.xrea.com/vega.s58.xrea.com/telescope/qcamft/mkchk/make02.htm

2. 励磁パルスのテスト  (マイコンからモータードライバーにパルスがでているか確認します)    2009.6.1 追記/修正中

マイコンのPB0〜PB7(12ピンから19ピン)にテスト用LEDを接続します。
小さなLEDと1KΩ〜1.5KΩ程度の抵抗を直列につなぎ、基板のアースに半田ずけしておきます。
LEDの足が長い方が図の右になります。5Vに接続すれば光ります。


チェックピンをICの足にひっかける場合は、事故防止の為、一旦電源をOFFしましょう。

                    出力ポート同士のショートで、マイコンを壊さないように。
  
 
   テストは、脱調テストの機能を使うのをお勧めします。モーターを断続的に回し続けた方が、チェックしやすく、
   モーターの動作時、 停止時の状態変化が分かりやすいです。
   https://ss1.xrea.com/vega.s58.xrea.com/telescope/qcamft/xystage/xystage.htm (最後から上に6ブロック)
   200msec毎にモータを回せば、これに同期してLEDが光ります。


   念のため、全てのポートが、光るのを確認しましょう。
     
   X、Y両方テストします。
   制御基板の電源を切ります。

   [正しくない場合考えられる事]
   ・EEPROMのデータが正しくない。
   ・マイコンのポートが破壊されている
   

3. モーターの回転テスト

   TA7257P(6番ピン)のモータードライブ段を、電源に接続をし、モーターも接続します。
   モーターは送りネジを外し負荷なしの状態です。
   1.の(2)と同様に移動コマンドを送ります。モーターは回りましたか? XY、正逆を確認します。
   インラインカラーの黒いネジの位置を見れば1mm移動で2回(M3の場合)回ればOKです。
   XYステージが完成している場合は、送りネジを接続して、動かしてみましょう。回転スピードが適当でない場合は、
   1mm移動で、同じ場所に停止しません。合わない場合は、不快な音(ビービ−)で回る場合もあります。スピードを合わせれば、
   軽い音(クークー)で回ります。最適値は、XYステージの構造、負荷によりかなり差が出ます。X、Yの最適値は、異なる場合が多い
   ので、個別に調整します。初期状態は、50に設定してあります。最低速度を変更して調整します。値を大きくすると遅くなり、値を小さく
   すると、速くなります。
    私の作成したマイコンソフトは、最高速度を使用しません。ソフトのバージョンにより最高速度を無視するものと、マイコンが反応せず
   受信タイムアウトになる場合があります。最高速にゼロを指定すれば、不具合は、起こりません。

   


   制御基板の電源を切ります。

   実際の場合は、自動オープンが楽なので試して下さい。メニューの 設定 [モーター設定」 、オープン自動を選択。
   制御基板の電源をONにし、QCAMFT起動時にオープンされる事を確認します。  

  [回転方向]

   回転方向が、モータの取りつけ位置等により逆に回る場合は、4本の配線順を逆にすれば反対に回ります。

      IC1(又はIC3)TA7253P  3 ピン ------- 黄 
                            5 ピン ------- 青
      IC2(又はIC4)TA7253P  3 ピン ------- 赤
                              5 ピン ------- 白

    これを次のように接続すれば逆に回ります。

       IC1(又はIC3)TA7253P 3 ピン ------- 白
                       5 ピン------- 赤
       IC2(又はIC4)TA7253P 3 ピン------- 青
                            5 ピン------- 黄 

   [回らない場合]
   ・モーターにパルスが出ているか、2.で使用したテスター(LEDと抵抗)をTA7257Pの出力をチェックします。
    但し、モータードライブ段の電圧が高い場合は、抵抗を増やす必要があります。
    TA7257Pの3,5ピンにテスト用LEDを接続します。
    上記と同様に 脱調チェックの機能を使うことをお勧めします。

  [回らない場合考えられる事]
   ・ドライブ段の電源が接続されていない。
   ・設定スピードが速すぎる。
   ・モーターとの結線を間違えている。
   ・モーターが壊れている
   ・EEPROMでの設定(バイポーラ/ユニポーラ、1相/2相/1−2相が、モーターと合っていない)
   ・モータードライバー段の誤配線(マイコンとの接続等)
   ・TA7257Pが破壊されている    

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