動作原理                                              2002.04.16  vega
                                                     2002.04.17
                                                     2002.04.18
                                                     2002.06.09
 

 TA7257PとADM232AANについて説明します。

 

1. TA7257P

   この素子は、DCモーター用のブリッジドライバーです。DCモーターの制御で回転、ブレーキ、逆回転などができます。
   下は、データ−シートから(こっそり)コピーしたものです。BDの先にはモーターが付いていてDCモーターですが、
   今回は、パルスモーターの片方のコイルです。

 

@、A でモーターに流す電流向きを制御します。
Fはロジック用の電源で今回は、5Vで使用します。
Eは、モーター用の電源で、私はここをニッカド電池
を使用しています。
左の回路は、E、Fを共通の電源になっていますが別電源
にしてもかまいません。
モーターに応じて18Vまで高くできます。




   今回使用するバイポーラタイプのパルスモーターは、コイルが2組あり、電流の流す方向を制御する必要があります。
   これは実際のXYステージの回路図の一部です。


          

      コイルの電流の向きは、@、A の電圧で制御します。今回はここを、マイコンで制御します。

  @ピン     Aピン    電 流 の 向き   モード    今回の使用       備      考
  0V   5V  B <- D     回転で使用  
  5V   0V  B -> D    回転で使用  
  0V   0V  流れない  ストップ  停止中 モーター軸は、自由に回せる
  5V   5V  流れない  ブレーキ  停止時 停止時のブレーキ                   

  XYステージでモーターの停止中は、@,Aが0Vの状態です。コイルに電流が流れず軸が抵抗なく自由に回せる状態ですから

  指で送りネジを回して、セットアップすることができます。

 

  ICを2(ICAとICB)つ使い1相励磁でパルスモーター(コイル1、コイル2)を回す場合は、次の様になります。   

Seq ICAの@ ICAのA ICBの@ ICBのA コイル1 コイル2         備       考            
1 5V 0V 0V 0V  +      
2 0V 0V 5V 0V    +    
3 0V 5V 0V 0V  −   1とは逆向きに電流が流れる  
4 0V 0V 0V 5V    − 2とは逆向きに電流が流れる  
                 
  5V 5V 5V 5V     停止時はブレーキ                                
  0V 0V 0V 0V     停止中はモーター軸は、自由に回せる  

  1−2相励磁では このようになります。1相励磁の各ステップでいきなり切り替えずに、同時に電流を流す状態が入ります  

Seq ICAの@ ICAのA ICBの@ ICBのA コイル1 コイル2         備       考            
1 5V 0V 0V 0V  +      
2 5V 0V 5V 0V  +  +    
3 0V 0V 5V 0V    +    
4 0V 5V 5V 0V  −  +    
5 0V 5V 0V 0V  −      
6 0V 5V 0V 5V  −  −    
7 0V 0V 0V 5V    −    
8 5V 0V 0V 5V  +  −    
                 
  5V 5V 5V 5V     停止時はブレーキ                                
  0V 0V 0V 0V     停止中はモーター軸は、自由に回せる  

 


2. ADM232AAN

 RS−232Cは、コンピュータとコンピュータ間を結ぶための約束事です。高速に通信できませんが、距離を長く(数十m)できる
特徴があります。パソコン内は、通常0V、5Vでデータをやりとりしていますが、5Vでは長い距離を伸ばすと電圧が弱くなり伝送で
きなくなってしまします。

そこで、ケーブル間は規格では、−15V又は+15V(差は、30V)と電圧を大きくして、−3、+3Vまで弱くなっても伝送できるよう
にしたわけです。

下の様に 5Vは、トランスミッターで−9Vにし、(ケーブルの間は−9V)、受け取った後レシーバーで5Vに直します。
        0Vは、トランスミッターで+9Vにし、(ケーブルの間は+9V)、受け取った後レシーバーで0Vに直します。

                             ( ADM232AANは、±15Vではなく±9Vに変換します)    

 ->->->->->->-> 信号の向き ->->->->->->->->->->->->->->->->->->->->->->

         パソコンA   TM       ケーブル上       RV   パソコンB(マイコン)
      5V   -9V     −9V     -9V   5V  
            0V   +9V     +9V     +9V   0V  
               無接続     0V   5V  
                           

                                     TM:ドライバー(トランスミッター)
                                     RV:レシーバー

 要するに、コンピュータ(パソコン)の出口と入口で、変換を行うわけです。

そこを、ADM232AANで行っています。 

−10Vと、+10Vは、5Vから作り出す為に、コンデンサをたくさん使います。図の上と中のブロック。昔は、−10V、+10Vの電源を用意したらしいです。

下のブロックのT1、T2は、コンピュータの出口で使用するトランスミッタで、5Vは、−9Vに、0Vは、+9Vに変換します。

R1、R2はコンピュータの入口で使用するレシーバーで、−9Vを5Vに、+9Vを0Vに変換します。

このICは、10、11は内部でプルアップ(注)しています。従って、
接続がない状態は、T1、T2を通ったあとは−9Vになります。
R1、R2は内部でプルダウンしていますから、ケーブルが外れて
いる場合(接続が無い場合)は0Vです。
このためパソコンから来るケーブルの電圧を計れば、信号腺の区別が簡単にできます。

(注) ピン互換でもプルアップ無いものがあるので注意。

今回はXYステージの制御基板では、T2、R2のみを使用します。

No.7、No.8 をパソコンと接続し、

No.9、No.10を基板内でAVRマイコンと接続します。

 

   パソコンのCOMポートにも同様な部品があります。

    パソコンと接続する場合は、−9Vと0V同士を接続すればOKです。

 

  [参考]

    COMポートの電圧を実際に計ってみると結構違います。

           ADM232AAN   パソコンA    パソコンB     SP202ECP    SP3232ECP  
 ドライバーのOUT側 (No.3ピン)  −9.10V  −11.68V  −8.83V  −8.23V  
 レシーバー のIN側 (No.2ピン)  4.2mV  160mV  20mV  +0.03mV  

                                

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