EEPROMのデータ破壊について                 
                                    2002.10.5

   EEPROM(電源を切っても消えないメモリ)には、モーターの励磁方法、回転速度などデータを保存しています。
   このデータが破壊(素子のハード的な破壊ではない)されるとモーターが正しく回らなくなります。
   いままでの事例では壊れる場所は、Xモーターの励磁方法を保存している場所です。(アドレス#00)
   ここが破壊されると、Xモーターが全く回らなくなります。(Yは正常に回る)
   壊れる原因は、電源ON/OFF時の電圧が低い状態でCPUが誤動作するもの思われます。(ATMEL社の注意あり)
   根本対策は、回路にリセット回路を追加し、低電圧ではCPUをリセット状態に保てば、解決します。
   今までのQCAMテスターでの事例では、アドレス#00が壊れる場合のみです。AVRのユーザーの情報でも同じ場所
   が壊れる確立が高いとのことです。 確立が高いだけで、他の場所も壊れる可能性はあります。
   根本対策ではありませんが、壊れやすいアドレス#00 を使用しないように変更しました。(マイコンソフトVer2.2)
   Verによっては(1−2相固定など)アドレス#00が壊れても影響無い場合もあります。
   Ver2.1以前を使用している場合でもEEPROMデータ破壊によりモーターが回らなくなった場合は、測定ソフトから
   EEPROMデータを修復可能です。(任意コマンド送信で CA3Eを送信する。(1−2相の場合))
   頻繁にデータが壊れXモーターが回らなくなる場合は、Ver2.2以降に変更した方が良いでしょう。(アドレス#00が壊れる場合)
   他の場所が(派手に)壊れる場合は、リセットICを追加したほうが良いでしょう。
   マイコンチップを手軽に書き込めない場合で、同じ場所が頻繁に壊れる場合は、測定ソフトの開始でEEPROMを修復するコマンド
   を自動送信する機能を使用してください。オープンの度に、データを修復できます(測定ソフトVer2.3以降)

   又モーター電源とマイコン電源が共通な場合、モーター回転時に影響を受けて(電圧低下)でも起こる場合もあります。その場
   は、影響の無いような(バイパスコンデンサや別電源)対策が必要です。EEPROMデータは起動時に読み込むので、動作中に
   データが破壊しても、判りません。
 

      EEPROMの修復方法 (Xモーターが動かない場合)

 

左のリセット回路は、某H8マイコンボードから拝借。 

電源電圧が約4.5V以下でリセット状態(3番ピンが0V)になる。

ここをAT90S2313のRESET端子(1番ピン)に接続する。

PST5200のピン番号は部品番号の見える状態で左から1,2,3。





AT90S2313-10の動作電圧は、4.0V〜6.0Vなので、PST600C(4.5V)、PST600D(4.2V)、が使用できます。

   PST600のデータシート