自動測定の方法 2025.2.27
QCAMFT-II では、4種類の方式(①~④)があり、その方法を説明します。
又②の初めの一歩の方式は、手動測定でも使用できます。
① 無指定の場合は、べーシックな方法
左右輝度差により、移動距離を変えて、輝度差がゼロ(誤差範囲内)になるようにする方法です。
特徴
時間がかかるが、測定に失敗しにくい方法です。 他の方法で失敗した場合でも測定出来るかも知れません。
測定回数が多くかかるため、ゾーン毎の最大移動回数は、多く(10とか20とか)とってください。
、
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縦軸が左右ゾーンの輝度差です。 横軸がYの移動量です。左が前進方向です。 各点が Yを動かしたときと、輝度の関係を表します。 徐々に輝度差ゼロに近づいています。 5回目で誤差範囲に収まり、これがこのゾーンの測定結果です。 L(ロング)の移動が2回。 S(ショート)の移動が3回で完了してます。 この画像を見てパラメータの見直しに使用できます。 |
② 初めの一歩
No.1(ゾーン)、NO2. の測定は ①と同じ(厳密には、ゾーン増分で変わる)又移動制限回数は、このゾーンに限り2倍まで移動する。
NO.3 の測定
N0.2と、No.1 Y座標の差を求め、最初の移動は、この値を使う。
次の移動は、①の方法と同じ
No.4 の測定
N0.3と、No.2 Y座標の差を求め、最初の移動は、この値を使う。
次の移動は、①の方法と同じ
以下この繰り返し
特徴
最初の移動で一気に答に近付こうとする方式です。 ただオーバーしなくないので、少し短めに移動します。
ゾーン数が少ない場合は、オーバーすることが多くなる傾向にあり移動回数が増える傾向があります。
手動測定ではそのゾーンの最初の移動時に、最小のY前進移動操作する時に使用されます。
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最初の移動(始めの一歩)でほぼ誤差範囲内まで来ています。 次に S(ショート)の移動1回で誤差範囲に収まりました。 |
ソーンの変更で輝度が飽和しても影響を受けにくいので、その場合はこの方式をお勧めします
手動測定
手動測定では、No.3(正確には2回目の測定ゾーン)のゾーン以降では、最初の移動が、Yが前進で最小移動(通常10µm)操作をしたときに
に限り「始めの一歩」の距離で移動します。 副作用を避けるため、測定ゾーンが最後まで到達したら、「始めの一歩」のチェックを外すことが重要です。
③ 輝度変化から計算する方式
No.1、の測定は ①と同じ。
NO.2 の測定
最初の移動は、①と同じ
移動後、輝度の変化と移動距離より 輝度差ゼロになる移動距離を計算で求めるその距離を移動する。(直線で計算)
結果、輝度差が大きい場合は、再度 2点のデータから移動距離を計算で求めるその距離を移動する。(直線で計算)
結果輝度差が小さくなった(答に近い)場合は、①の方法で移動する。これを繰り返す。
特徴
2点間を結ぶ直線の式を求め、その直線が輝度ゼロとなる点を求める方式です。開始点の輝度差が飽和していると
計算が成り立ちません。 2回目の移動で未だ答に遠い(輝度差がある)場合は、最初のデータを捨てて最新の2点から
計算して移動します。 1回目の移動で飽和していない場合は、2回目の計算で期待出来ます。
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一番上の点は、ゾーンを変更した時点の輝度の差です。 最初の移動は、 L(ロング)です。 この2点から輝度差ゼロになるYの距離を動かしました。 結果は誤差範囲内に収まりました。 |
④ 既存記録参考の方式
前回の測定記録(ゾーン毎のX,Y座標)を使用する方法です。
NO.1 は、他の方法と」同じ。
NO.2の最初の移動は、既存記録のNo.2の,X座標、Y座標へ使用して移動する。
輝度が誤差以内ならOKとして記録する。 誤差以上なら①の方法で移動する。 繰り返して誤差以内なら記録する。
No.3以降も、No.2と同じ方法で測定する。
特徴
保存したデータを使い移動の1回目にする為、鏡面の変化が少ない場合に有効になるのではないかと思います。
修正の最終段階で威力を発揮するのではないかと思います。
データの保存は、どの方式①②③④で測定したものでも良く、問題なく測定出来ていればOKです。
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既存(前回の)測定結果を使用しています。 そのデータに従い、Y移動(実はXも)してます。 テストモードでは、前回と同じ状態なので、ここでOKとなりました。 この既存データを使用する為には、それまでの測定でデータが保存されている 必要があります。 次回の為に(赤丸)をクリックして保存します。結果は、qvamft.ini に保存されます。 整形で研磨、測定を繰り返す場合は、忘れずにデータを保存しておけば、次の測定の 時間短縮につながります。 |