バックラッシュ対策について 2025.8.27
送りねじのバックラッシュの補正量の調整について説明します。
QCAMFTでは、XYステージの送りねじの遊び(バックラシュ)の影響を無くす為に、一方向からの位置決めをしています。
前後の動きでは、後退する場合は一度大きく後退させて、から前進させることで、バックラッシュの影響を排除しています。
この大きく下げる距離が不足すると、正確に位置決めができません。 ここではその距離の求め方を説明します。
輝度の変化からバックラッシュの補正量が適切かが判定出来ます。
@ まずフーコー画像を出してくっきりハッキリ映る様にします。 ハイコントラストにした方が輝度の変化が判別できて良いです。
左右のゾーン輝度がなるべく同じになる様に調整します。 赤枠の -0.2 の 所 がゼロ近くになる様に。
原点をリセットします。
A 右側の 「一方向からの位置決(バックラシュ対策)」 のチェックを外します。
「6項目変更」をクリックします。

B Yの調整
Yの座標がゼロになっている事を確認します。
まず十分後退させます。 0.5mmぐらい。90μmを5回連続でもOKです。
同じ距離前進して、Yの座標をゼロにします。 輝度を確認します。(上の例で -0.2 の部分。)
Yを後退させます。 輝度を確認しながら少しづつ。 10μm程度が良いでしょう。
最初は輝度に変化が無いでしょう。 バックラシュがあるからです。
ある所から輝度が変化します。 バクラシュ以上の距離移動した為です。 その時の Y座標をメモします。
C Xの調整
Yと同様です。輝度は左右の 「平均輝度−目標輝度」 に着目します。 上の+1.1の部分の値です。
大きく動かす方向は
「左移動時に対策」にチェックしていれば、左に、
「右移動時に対策」にチェックが無ければ、右にします。
D 値変更
B、C の結果を 設定します。 少し(10μmか15μm)多めにします。
設定場所は 右上赤枠の 「戻し量μm」 の所。
「一方向からの位置決(バックラシュ対策)」 のチェックを入れます。
「6項目変更をクリック」 します。
E 確認
バクラシュの補正量が適切の場合 方向によらず同じ輝度が変化します。
Yを少し(1umでも)前後させても同じ輝度の変化があればOKです。
Xを少し(1μmでも)だけ左右に以後動かしても、同じ輝度の変化があればOKです。
注意
送りねじ、ナットが汚れている場合は、計る場所でバックラシュのが値が異なり安定しないと思います。
ほこりにまみれた送りねじは、正確な位置決めが出来ないと思います。 構造上汚れやすい場合は、
送りねじカバー等の対策が必要かもしれません。 XYステージ本体の保管も埃を遮断するような容器が必要と思います。
又送りねじにグリスを塗った場合は、経年変化で硬くなり位置決めに影響が出ると思います。
昔ずん切りのM3ねじを(東急ハンズで)購入した時、価格シールを剥がしたところシールの接着材の粘りが残り、そこ
にナットが来るとナットがスムースに回らなかった(粘ったような感覚)ことがありました。溶剤で拭いても、粘りは取れません
でした。このような場合は、おそらく位置決めに誤差があったと思います。