モーター電圧アップ                   
                                        2012.10.8



   モーター電圧の電圧を自由に選べるので色々可能性が広がります。

 

   1. モータードライブICの電圧が規格内に入る

      TA7257Pは、動作電圧は、5Vでは規格外です。
      データシートによると6V〜18Vです。
      動いたから、5Vの設計だったんです。
      規格に従えば、より安定動作が期待できます。


   2. トルクアップ

       モーターのトルクがアップします。 トルクは、電流に比例します。
       その際、ICが規格内になるか、モーターが壊れないか検討が必要です。

       データーシートの一部です。

  Vcc(7ピン) Vs(6ピン) 出力電流(平均) 出力電流(ピーク) 飽和電圧合計  
TA7257P  6V〜18V  0V〜18V    1.5A    4.5A   1.9V  (1.1Aで)  
TA7267P  6V〜18V  0V〜18V   1.0A    3.0A   2.25V (1.0Aで)  

 
       ICに流れる電流は
         
           I = ( Vs - 飽和電圧 ) / モータ抵抗

       TA7257P では  I = ( Vs - 1.9  ) / 4.3Ω

       TA7267P では  I = ( Vs - 2.25 ) / 4.3Ω

        電源電圧(Vs)を変えて計算してみると

           TA7257P
                 (注) 赤は、禁止領域(最大規格をオーバー)

          計算方法
            A Icピーク電流(A)  : 上の式で計算(IC1個で)
            B 電流比       : 5Vの@電流を1.0とした
            C Ic平均電流(A)  : 励磁パターンから、@の3/8の値
            D 電源電流ピーク(A) : 1-2相なので、Aの2倍の値   
            E 電源平均電流(A) : 1-2相なので、Cの2倍の値  
            F Icの損失(w)    : ICが発熱する量 電流xICの飽和電圧合計
            G モータ発熱(w)   : モーターコイルの抵抗値(4.3Ω) x Eの2乗
            H 発熱比       : 5VのGを1.0とした

TA7257Pの抜粋

    @    A   B    C     D     E    F    G   H
電源電圧(V) Icピーク電流(A) 電流比 Ic平均電流(A) 電源電流ピーク(A) 電源平均電流(A) Icの損失(w) モータ発熱(w) 発熱比
5 0.72 1.00 0.27 1.44 0.54 1.37 0.31 1.00
6 0.95 1.32 0.36 1.91 0.72 1.81 0.55 1.75
7 1.19 1.65 0.44 2.37 0.89 2.25 0.85 2.71
8 1.42 1.97 0.53 2.84 1.06 2.70 1.22 3.87
9 1.65 2.29 0.62 3.30 1.24 3.14 1.65 5.25
10 1.88 2.61 0.71 3.77 1.41 3.58 2.15 6.83
11 2.12 2.94 0.79 4.23 1.59 4.02 2.71 8.62

TA7267BPの抜粋

    @    A   B    C     D     E    F    G   H
電源電圧(V) Icピーク電流(A) 電流比 Ic平均電流(A) 電源電流ピーク(A) 電源平均電流(A) Icの損失(w) モータ発熱(w) 発熱比
5 0.64 1.00 0.24 1.28 0.48 1.44 0.25 1.00
6 0.87 1.36 0.33 1.74 0.65 1.96 0.46 1.86
7 1.10 1.73 0.41 2.21 0.83 2.49 0.74 2.98
8 1.34 2.09 0.50 2.67 1.00 3.01 1.08 4.37
9 1.57 2.45 0.59 3.14 1.18 3.53 1.49 6.02
10 1.80 2.82 0.68 3.60 1.35 4.06 1.96 7.94
11 2.03 3.18 0.76 4.07 1.53 4.58 2.50 10.12


       結果を見て
         ・ トルクアップは期待できそう。 (トルクは、電流に比例する)
         ・ 発熱には、注意する必要あり。(電流の自乗に比例する)
         ・ モーターの最大規格が不明だが、実際に回して、発熱から判断するしかないか?
           ただし、測定中は、殆ど休んでいるので、問題にならないかも。
         ・ ICの発熱は、放熱器がない場合、連続運転には、注意必要かも。
           測定前のセットアップや、調整で1mm移動を連発させると、問題になりそう。
         ・ TA7267BPも問題なく使用できそうだ。  近々実験予定   
         ・ 必要な電源の容量は、Eの値でOKなら、今までの検討(3A電源)は、かなり的外れだった。(スミマセン)
            

       秋月は、電圧順で5V、6V、9V のようになっている。7V,8Vが抜けているのが残念。

  3. 別なタイプのモーター

     例のモーター以外を使用場合

     高電圧で  低電流 のタイプ

     例えばこれ

      http://www.skcj.co.jp/plexmotion/products/p-pms-stp_gr/p-pmsa-b42d2l/  ¥3,100

        定格電圧 9.0V
        巻線抵抗 15.0Ω
     とか

      http://strawberry-linux.com/catalog/items?code=12026   ¥1,050

       推奨動作電圧:DC12V
       コイル抵抗:34Ω
 
     詳細は、検討していないが、使用できる可能性あり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Vs   TA7257P   電流比  発熱比      TA7267P   電流比  発熱比
5V   0.72A   1.0        0.64A   1.0  
6V   0.95A   1.32        0.87A   1.36  
7V   1.19A   1.65        1.10A    
8V   1.42A   1.97        1.37A    
9V   1.65A          1.57A    

 


    

 

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